メアリー・アン・マシューズは言った: 曖昧ね。

僕は言った: 態度に表すことが何だって言うんだ。涙を流したら君は満足するかい?そんなもの、本当にただの儀式でしかないかも知れないのに。そんなことは誰も必要としていなくて、ただ自分一人がどう受け止めるか、それだけかも知れないのに。

メアリー・アン・マシューズは言った: 儀式に救われる人間もいるわ。

僕は言った: それは、確かにそうかも知れないな。僕にはわからない。その人とは、もしかしたら一生理解し合えないかも知れない。だったら誰となら理解し合えるのか、と言えば、そんな人間はこの世のどこにも存在しないのかも知れないけれど。

メアリー・アン・マシューズは言った: 異端気取り、なんて。

僕は言った: 蔑まれても構わないさ。僕は僕の思うようにしか僕を捉えられない。気付いたんだメアリー・アン、僕は幸せになりたいと思っていたけれどそれは違っていた。本当は満たされることが望みだった。昨日も一つ気付いたんだ、それは、陽の当たる場所を歩けるということに似ている。僕は、誰に気兼ねなく生きられるようになれたらと思っている。

メアリー・アン・マシューズは言った: そうね。

僕は言った: 難しいことだ。死ぬまでに出来るだろうか。